
インラインフィギュアスケートのウィール構成とブレード付け替え
ウィール(ホイール)は、いくつかの部品の組み合わせで構成されています。
ここでは「ウィールの構成」「アイスブレードからインラインフレームへの付け替え」「トウストップの調整と固定」についての解説です。
ウィール(ホイール)の構成(ベアリング/スペーサー/ボルトなど)
■ウィールの構成部品とハンドツール道具
1つのウィールには、スペーサー1個とベアリング2個を組み込みます。
ウィールボルトと留めネジで、ウィールをフレームに取り付けます。
T字型ハンドツールには、六角レンチになっている部分と、ウィールに嵌め込んであるベアリングとスペーサーを外す際に使う、ベアリングを押し出すための部分があります。
ウィールボルトと留めネジ。ネジ穴は六角形です。
スペーサーとベアリング2個。1つのウィールにスペーサー1個とベアリング2個を組み込みます。
スペーサー1個とベアリング2個が組み込まれている状態のウィールです。(表側と裏側)
ベアリングを外す時は、T字型ハンドツールを使って、ベアリング(スペーサー)を少し強めに押します。
すると、先ず裏側(反対側)のベアリングとスペーサーが外れます。残りのベアリングは手指でも外すことが出来ます。
本来はウィールの内部に組み込みますが、参考のため、ウィールの外部で組み立ててみます。
ウィールとベアリング、スペーサー、ウィールボルト、留めネジの組み立て展開画像です。
今度は、実際にウィールにベアリングとスペーサーを組み込んでみます。
先ず、一つめのベアリングを手で嵌めます。ベアリングは表裏どちらでも嵌ります。
ウィールを裏返します。
嵌め込んだベアリングにスペーサーを差し込みます。
もう一つのベアリングを手で嵌めます。
実際にはフレームに取り付けますが、一旦、外部にてウィールにウィールボルトを通してみます。
ウィールボルトの先の内側には、ネジ溝があります。
そのネジ溝に、留めネジを回しいれます。
上から見ると、ボルトの両端部分はフレームの厚さの分だけ余っています。

アイス用ブレードからインラインフレームへの付け替え
アイス用のブレードが付いていますが、いくつかのネジ穴は利用していない状態です。
前部分は4箇所、踵部分は3箇所、ネジ留めされています。
ブレードを外しました。
つま先と踵の中央に印を付けました。
フレームの取り付け位置は、靴のつま先先端からと踵先端の両端から少し間を空けて取り付けます。
間は、踵よりもつま先の方を、少し多めに空けます。
(例:AC 3mm / BD 2mm)
靴底にフレームを位置調整してあてがい、養生テープ等で仮固定し、インラインフレームのネジ穴位置にペンで白点の印を付けました。
ペーパーに、アイス用ブレードネジ穴位置とインラインのネジ穴位置を印してみました。
黒点がアイス用、赤点がインライン用のネジ穴位置です。
インラインフレームをネジ留めしました。今回は仮留めで、前部分3箇所と踵部分3箇所を留めます。
スペーサーとベアリング2個を組み込みんだウィールを、フレームに取り付けます。
フレームの穴とウィールの穴位置を合わせて、そこにウィールボルトを差し込み通して留めネジで留めます。
留めネジをある程度まで手で締めます。その後、2つのT字型ハンドツールを使って両方から回し締めます。
ウィールは、基本的には、絵柄のある方を外側に向けて取り付けます。
アイス用ブレードからインラインフレームへの付け替えが終了しました。
靴の総重量はアイス用よりもインラインの方が少し重いです。
高さはアイス用よりもインラインの方が少し高いです。
フレームに応じたサイズのウィールを取り付けるのがセオリーですが、ひとまわり小さいサイズのウィールを取り付けると、高さが少しだけ低くなり、更に小回りが効くようになります。

トウストップの出し具合調整と固定
つま先部分、一番先端部分のネジをT字型ハンドツールを使って回し緩めます。
トウストップを回して、一旦、取り外してみました。トウストップを、好みの出具合の長さ分だけ回し入れます。
T字型ハンドツールで、つま先先端部分のネジを回し締めます。確認のためトウストップを手で回してみます。
もしトウストップが回るようであれば、つま先先端のネジを少し強めに再度回し締めると
トウストップが回らなくなり、固定されます。
トウストップの出し過ぎは、滑走中にトウを利用した際、外れてしまう原因になりますので、しっかりと固定されるよう、最低限、ある程度は回し入れておきましょう。
インラインフレームはアイスブレードよりも少し高さが高いので、少しの傾斜で、アイスよりも深いカーブ滑走が可能です。
しかし、小さい急カーブはアイスの方が小回りが利くようです。一長一短です。
トウストップは少しずつ擦り減ります。使用頻度によりますが、年に1度くらいの取替えが必要かもしれません。
ウィールは割と長持ちしますが、得手の片方のカーブ滑走を沢山すると、片方だけ磨耗しますので、左右均等に滑走すると磨耗も均等になります。苦手な反対カーブも滑走するようにすると良いでしょう。
また、ウィールの配置や裏表を交換設置(ローテーション)することでもウィールの磨耗を均一にすることができます。